法人向けの決済サービスを提供するF社は、シリーズBの資金調達を終え、12か月で従業員を60名から120名に増やす計画を立てていました。しかし人事の責任者がおらず、各部門の部長がそれぞれ紹介会社に依頼する状態。このままでは採用費だけで年間9,000万円に達する見込みでした。
Coreは「上流から丸っと任せる」CHRO代行として、事業計画を人員計画と採用KPIに落とし込むところから12か月間支援しました。
案件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | フィンテック(法人向け決済サービス) |
| 従業員数 | 約60名(支援開始時) |
| 所在地 | 東京都 |
| 募集職種 | エンジニア、プロダクトマネージャー、法人営業、カスタマーサクセス、コーポレート職など18職種 |
| 採用目標 | 12か月で60名 |
| 支援サービス | CHRO代行(人員計画・採用KPI設計・採用体制構築・面接官育成・評価制度の骨子設計) |
| 支援期間 | 12か月 |
| 支援体制 | Core人事責任者1名(週2日常駐)+採用担当2名 |
支援前の課題
支援開始時点の状況は次のとおりです。
| 指標 | 支援前の数値 |
|---|---|
| 人員計画 | なし(部門ごとに随時募集) |
| 採用KPI | 未設定 |
| 人材紹介経由の採用比率 | 78% |
| 採用費(12か月の見込み) | 約9,000万円 |
| 1人あたり採用単価(見込み) | 約155万円 |
| 入社1年以内の離職率 | 24% |
| リファラル採用 | 0名 |
事業計画と採用が結びついていない
事業計画には売上とプロダクトの開発計画はあるものの、それを実現するために「いつまでに、どの職種を、何名」採用するかが決まっていませんでした。部門ごとに急ぎの募集が立ち上がり、優先順位もあいまいでした。
採用の数字を誰も見ていない
応募から入社までの各段階の数値が記録されておらず、どこで候補者が離れているのか、どの採用チャネルが費用に見合っているのかを判断できませんでした。
入社後に定着しない
評価制度や入社後の受け入れ手順がなく、入社1年以内に4人に1人が退職していました。採用人数を増やしても、離職で人数が減る状態でした。
実施した施策
1. 事業計画から人員計画をつくる
経営陣と各部門長へのヒアリングをもとに、12か月後の組織図を描き、職種ごと・四半期ごとの採用人数に分解しました。売上計画との連動を確認したうえで、18職種・60名の人員計画として取締役会で承認を得ています。
2. 採用KPIを逆算で設計
過去の選考データと業界の目安をもとに、職種ごとに「応募→書類通過→一次面接→最終面接→内定→承諾」の各通過率を置き、必要な応募数から逆算しました。週次の採用会議で、計画との差を部門長と確認する運用にしています。
- 例:法人営業6名を採用するには、承諾率70%・内定率25%・一次通過率40%・書類通過率35%から逆算すると、年間で約250件(月あたり約20件)の応募が必要
- 数値はATSで自動集計し、会議資料の作成を不要に
3. 採用チャネルの配分を見直す
人材紹介に集中していた採用を、職種ごとの特性に合わせてリファラル・スカウト・人材紹介・求人広告に配分し直しました。リファラル採用は紹介制度と社員向けの紹介用資料を整えています。
4. 面接官トレーニングと採用広報
面接官を務める部門長・マネージャー14名に、評価基準と質問の設計、候補者に自社の魅力を伝える方法のトレーニングを実施しました。あわせて、社員インタビュー記事と採用資料を整え、スカウトや面接で使えるようにしています。
5. 定着のための受け入れと評価制度の骨子
入社初日から90日までの受け入れ手順と、30日・90日時点の面談を仕組みにしました。あわせて、等級と評価の考え方をまとめた評価制度の骨子を作成し、支援期間中に運用を始めています。
結果
12か月間の累計成果です。
| 指標 | 支援前 | 支援後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 入社人数 | — | 58名 | 計画60名に対し97% |
| 人材紹介経由の採用比率 | 78% | 34% | −44pt |
| 採用費(12か月) | 約9,000万円(見込み) | 約4,650万円 | 約48%削減 |
| 1人あたり採用単価 | 約155万円(見込み) | 約80万円 | 約48%削減 |
| 入社1年以内の離職率 | 24% | 9% | −15pt |
| リファラル採用 | 0名 | 14名 | — |
入社58名の採用チャネル別の内訳は、人材紹介20名・スカウト19名・リファラル14名・求人広告5名です。採用費の見込みは、支援開始時の紹介経由の比率と平均手数料をもとに試算した数値です。
支援期間の後半には、F社で採用した人事マネージャーに採用会議の運営とKPI管理を引き継ぎ、Coreは実務の一部を支援する体制に移行しています。
成果につながったポイント
- 採用を事業計画から逆算し、職種と時期の優先順位を経営と合意した
- KPIを週次で見る仕組みにして、計画とのずれを早く見つけて手を打てるようにした
- 採用だけでなく受け入れと評価制度まで整え、入社した人が定着する土台をつくった
採用戦略の設計から任せたい場合の支援内容はCHRO代行のサービスページをご覧ください。
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採用人数の目標はあっても、そこから逆算した数字がないと、採用はどうしても場当たりになります。事業計画をうかがえれば、どの職種から、どのチャネルで採用するべきかをお伝えします。


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