雇用形態を問わず良い人材を採る本おすすめ25選|日本の著者で読む採用と定着

茶色と灰色の円や長方形を組み合わせた幾何学模様 採用代行・RPO

「良い人を採りたい」という一言には、何を見れば良い人と言えるのか、その人にどう出会うのか、どんな契約で迎えるのか、入ったあとに力を出してもらえるのか、という4つの問いが入っています。どれか1つでも抜けると、面接で「この人だ」と思った人が半年で辞めたり、応募がそもそも来なかったりします。

ここで紹介する25冊は、すべて日本の著者が書いた本です。新卒一括採用、転職市場の厚み、副業・兼業の広がり、解雇規制といった日本の前提の上で書かれているので、読んだ内容をそのまま自社の制度や面接に当てはめやすいのが理由です。正社員だけでなく、中途入社、副業人材、業務委託のプロも「採る」対象に含めて選んでいます。

海外の定番書(『ワーク・ルールズ!』『Who』『NETFLIXの最強人事戦略』など)も含めて工程別に整理した一覧は、良い人を採用する技術がわかる本25選にあります。面接での見極めだけを深く読みたい場合は面接で候補者を見極める採用の本おすすめ25選が向いています。

  1. 25冊を6つの棚に分けた
  2. ①採用の構造をつかむ8冊
    1. 1. 採用学|「見極め」と「惹きつけ」を分けて考える
    2. 2. 日本企業の採用革新|新しい採り方が社内で続いた理由
    3. 3. 採用基準|地頭よりリーダーシップを見る
    4. 4. 人事と採用のセオリー|採用を組織運営の一部として扱う
    5. 5. 人と組織のマネジメントバイアス|判断をゆがめる思い込みを外す
    6. 6. 心理学的経営|人の違いを測り、生かす発想の原点
    7. 7. 図解人材マネジメント入門|採用の位置を人事全体の地図で確かめる
    8. 8. THE TEAM 5つの法則|誰をチームに乗せるかを先に決める
  3. ②見極める技術の5冊
    1. 9. 人を選ぶ技術|4つの階層で人を見る
    2. 10. 採用面接100の法則|面接官どうしで基準をそろえる
    3. 11. コンピテンシー面接マニュアル|過去の行動からレベルを判定する
    4. 12. 採用の超プロが教えるできる人できない人|経歴では見えない資質を見る
    5. 13. 面接官超入門|現場の管理職に面接を任せる前に
  4. ③集めて口説く技術の4冊
    1. 14. 採用に強い会社は何をしているか|52の事例で打ち手を探す
    2. 15. 戦わない採用「リファラル採用」のすべて|社員紹介を仕組みにする
    3. 16. 知らない人を採ってはいけない|少人数の会社で紹介採用を始める
    4. 17. 採用ブランディング完全版|知名度がなくても欲しい人に届く打ち出し方
  5. ④雇用形態を問わず採る3冊
    1. 18. ジョブ型雇用社会とは何か|正社員中心の仕組みを言葉で理解する
    2. 19. 副業人材活用の戦略|社外のプロを受け入れる側の段取り
    3. 20. 中途採用人材を活かすマネジメント|経験者が力を出せない理由
  6. ⑤採った人を活かす3冊
    1. 21. 若年就業者の組織適応|入社後のギャップを研究で読み解く
    2. 22. 新人社員が職場に定着する入社初日の魔法|受け入れの最初の1日を設計する
    3. 23. 人と組織の行動科学|採用施策の副作用まで先に知る
  7. ⑥経営者の視点を持つ2冊
    1. 24. エンジニアリング組織論への招待|専門職が力を出せる組織を先に考える
    2. 25. リクルートのDNA|採用を経営の中心に置いた創業者の考え方
  8. 5週間で読む順番
  9. よくある質問
    1. なぜ日本の著者の本だけに絞ったのですか
    2. 業務委託や副業の人にも、面接の技術は使えますか
    3. 読んでも、面接や選考に手を回す時間がありません
  10. まとめ

25冊を6つの棚に分けた

本は次の6つに分けています。いま困っていることに近い棚から読むと、1冊目から手を動かせます。

  • ①採用の構造をつかむ8冊……「良い人」を自社の言葉で定義し、採用を組織運営の中に置く
  • ②見極める技術の5冊……面接と評価を、面接官によって結果が割れない形にする
  • ③集めて口説く技術の4冊……知名度に頼らず、欲しい人に見つけてもらう
  • ④雇用形態を問わず採る3冊……正社員以外の採り方と、経験者の受け入れ方
  • ⑤採った人を活かす3冊……入社後のずれを先回りして、定着させる
  • ⑥経営者の視点を持つ2冊……採用を経営の仕事として扱う

選ぶときは、研究者の本(服部泰宏・尾形真実哉・濱口桂一郎)、採用の実務家の本(曽和利光・青田努)、経営人材を見てきたヘッドハンターの本(小野壮彦)、経営者の本(江副浩正)が偏らないようにしました。研究者の本は「なぜそうなるか」、実務家の本は「明日の面接で何を聞くか」に強く、両方を読むと判断の根拠と手順がそろいます。

①採用の構造をつかむ8冊

1. 採用学|「見極め」と「惹きつけ」を分けて考える

服部泰宏/新潮選書/2016年

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日本の採用を研究の対象として扱った最初期の一般書です。採用には、候補者を見極める働きと、候補者に選んでもらう働きの2つがあり、多くの会社が見極めだけに力を入れて惹きつけを置き去りにしている、という整理がこの本の出発点になっています。入社前に仕事の良い面も厳しい面も伝える「リアリスティック・ジョブ・プレビュー」の考え方もここで押さえられます。

面接官の印象で合否が決まっている、内定辞退の理由が分からない、という段階の会社が最初に読むと、何から直すべきかの順番が見えてきます。

2. 日本企業の採用革新|新しい採り方が社内で続いた理由

服部泰宏・矢寺顕行/中央経済社/2018年

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中央経済社
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従来の一括採用とは違うやり方に踏み出した日本企業を、調査と事例で分析した本です。新しい手法を試した会社が、なぜその手法を選び、社内の反対をどう越え、どこで形を変えたのかまで追っているのが特徴です。

他社の成功例をそのまま真似してうまくいかなかった経験があるなら、この本の分析の仕方が参考になります。手法そのものより、自社の条件に合わせて作り替える過程を読む本です。

3. 採用基準|地頭よりリーダーシップを見る

伊賀泰代/ダイヤモンド社/2012年

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ダイヤモンド社
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マッキンゼーで長く採用を担当した著者が、同社が候補者に求めていたのは地頭や論理的思考力よりもリーダーシップだったと書いた本です。ここでいうリーダーシップは役職者の資質ではなく、全員が「自分ならこうする」と考えて動く姿勢を指しています。

求める人物像が「コミュニケーション力が高い人」「主体的な人」のような言葉で止まっている会社は、この本を読んでから定義を書き直すと、面接で何を聞くべきかが具体的になります。

4. 人事と採用のセオリー|採用を組織運営の一部として扱う

曽和利光/ソシム/2018年

リクルートで採用責任者を務め、のちに人材研究所を立ち上げた著者が、採用・配置・育成・評価・退職までを一続きの原理で説明した本です。採用だけを切り出して改善しても、配置や評価と噛み合っていなければ良い人は残らない、という前提で書かれています。

採用の担当者が1人で全部を抱えていて、経営層や現場との分担を決め直したいときに向いています。成長段階ごとに組織で起きやすい問題が整理されているので、自社がいまどの段階かを確かめながら読めます。

5. 人と組織のマネジメントバイアス|判断をゆがめる思い込みを外す

曽和利光・伊達洋駆/ソシム/2020年

人事の現場で当たり前とされている考え方を、組織論と行動科学の研究に照らして点検した本です。実務家の曽和氏と研究者の伊達氏が組んでいるため、「現場ではこう言われる」「研究ではこう分かっている」が並べて読めます。

採用に関わる章では、第一印象や自分と似た人を高く評価してしまう傾向が扱われています。面接官を育てる前に、まず評価する側がどんな思い込みを持ちやすいかを知っておくと、評価シートの作り方が変わります。

6. 心理学的経営|人の違いを測り、生かす発想の原点

大沢武志/PHP研究所/1993年

リクルートで適性検査SPIの開発に関わった著者が、個人差の心理学を経営に生かす考え方をまとめた古典です。人を一つの物差しで優劣づけるのではなく、違いをそのまま認めて配置や組織づくりに生かす、という立場で一貫しています。

適性検査の結果を「足切り」にしか使っていない会社が読むと、検査の数字を面接や配置の判断材料として読み替える視点が得られます。30年以上前の本ですが、適性という言葉の意味を正確に理解するには今も外せない1冊です。

7. 図解人材マネジメント入門|採用の位置を人事全体の地図で確かめる

坪谷邦生/ディスカヴァー・トゥエンティワン/2020年

人材マネジメントを100の項目に分け、理論と実践を見開きの図解で説明した本です。採用・評価・報酬・育成・配置・退職がどうつながっているかを一望できます。

採用の担当になったばかりで、等級制度や評価制度の言葉が分からないまま会議に出ている人に向いています。採用要件を決めるときに、等級の定義から逆算するという考え方もここで身につきます。

8. THE TEAM 5つの法則|誰をチームに乗せるかを先に決める

麻野耕司/幻冬舎/2019年

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幻冬舎
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チームの成果を、目標の設定、メンバーの選び方と組み合わせ、意思疎通、意思決定、熱意の引き出し方の5つに分けて説明した本です。2つめのメンバーの選び方の章では、チームの目標や仕事の性質によって、似た人を集めるべきか違う人を混ぜるべきかが変わると書かれています。

欠員が出たから同じ経歴の人を探す、という採り方を見直したいときに読むと、「このチームにいま足りないのは何か」から人物像を作れるようになります。

②見極める技術の5冊

9. 人を選ぶ技術|4つの階層で人を見る

小野壮彦/フォレスト出版/2022年

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エゴンゼンダーで5,000人を超える経営人材を見てきた著者が、人を「経験・知識・スキル」「コンピテンシー」「ポテンシャル」「エネルギーの源泉」の4階層でとらえる方法を示した本です。面接で経歴とスキルの確認に終始すると、表面の1層しか見ていないことになります。

実際にどう行動したかを聞き、候補者の自論や意見は判断材料にしない、という面接の基本も具体的な質問例とともに書かれています。幹部や事業の中核を担う人を採るときに、面接の前に読んでおくと質問の質が上がります。

10. 採用面接100の法則|面接官どうしで基準をそろえる

曽和利光/日本能率協会マネジメントセンター/2022年

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日本能率協会マネジメントセンター
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面接の準備、質問、評価、候補者への動機づけまでを100の項目に分けて書いた本です。1項目が短くまとまっているので、面接官に配って事前に読んでもらう使い方ができます。

見極めと獲得の両方を扱っているのが特徴で、面接を「選ぶ場」であると同時に「選ばれる場」として設計し直せます。面接官が複数いて評価が割れる会社では、この本の項目を面接官研修の目次にするとそのまま使えます。

11. コンピテンシー面接マニュアル|過去の行動からレベルを判定する

川上真史・齋藤亮三/弘文堂/2006年

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川上真史
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候補者が過去の場面で実際に取った行動を掘り下げ、その行動を5段階のレベルで評価する手法を解説した本です。指示されたことをこなすだけの段階から、状況そのものを変える段階まで、レベルの定義がはっきりしているため、面接官が違っても同じ物差しで判定できます。

面接を構造化したいけれど何から決めればよいか分からないとき、評価シートのひな形として使えます。長く読み継がれてきた実務書で、面接の場で使う質問の流れまで書かれています。

12. 採用の超プロが教えるできる人できない人|経歴では見えない資質を見る

安田佳生/サンマーク出版/2003年

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サンマーク出版
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中小企業の採用支援で知られた著者が、学歴や職歴では分からない「伸びる人」の特徴を語った本です。入社後の教育で変えにくい資質こそ採用の段階で見るべきだ、という立場で書かれています。

読み物として軽く読めるので、採用を任された管理職に最初に渡す本として使いやすい1冊です。科学的な裏づけを求める場合は、①の採用学や⑤の行動科学の本と合わせて読んでください。

13. 面接官超入門|現場の管理職に面接を任せる前に

田中和義/メイツ出版/2026年

採用担当者2,000人以上に面接官トレーニングを行ってきた著者による入門書です。深掘りの質問、求める人物像の設定、面接形式の使い分け、評価の付け方を、ロールプレイを交えて説明しています。

初めて面接官を務める人や、経験はあるが自信がない管理職向けに書かれています。2026年刊行の新しい本なので、オンライン面接を前提にした進め方も含めて今の採用に合わせやすいのが利点です。

③集めて口説く技術の4冊

14. 採用に強い会社は何をしているか|52の事例で打ち手を探す

青田努/ダイヤモンド社/2019年

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採用の実務を長く担ってきた著者が、売り手市場で採用に成功している会社の取り組みを52の事例で紹介した本です。候補者が思わず目を留める求人コピーの作り方、社員紹介を成功させる7つの取り組み、社内の情報発信の仕方など、すぐ試せる打ち手が並んでいます。

応募が集まらない、内定を出しても辞退される、という悩みに対して、目次から該当する事例を引いて読めます。求人広告の原稿づくりを見直すときは、求人広告の運用代行で扱っている媒体選びの考え方と合わせると、原稿と媒体の両方から手を入れられます。

15. 戦わない採用「リファラル採用」のすべて|社員紹介を仕組みにする

鈴木貴史/日本能率協会マネジメントセンター/2023年

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日本でリファラル採用という言葉を広めた著者が、800社の導入事例と70万人の社員ユーザーのデータをもとに書いた本です。社員に「誰か紹介して」と頼むだけでは紹介は増えず、紹介しやすい情報や仕組みを会社が用意する必要があることが、手順として書かれています。

求人広告の費用をかけても欲しい人に届かない会社にとって、信頼できる人が入ってくる経路をもう1本つくる方法になります。紹介した社員への報奨の設計や、紹介者と候補者の関係を壊さない断り方まで扱っています。

16. 知らない人を採ってはいけない|少人数の会社で紹介採用を始める

白潟敏朗/KADOKAWA/2019年

中小企業の経営を支援してきた著者が、リファラル採用を始めるための進め方を書いた本です。タイトルのとおり、面接の短い時間だけで知らない人を見極めることの難しさを出発点にしています。

15の鈴木氏の本が仕組みと規模の話に強いのに対し、こちらは社員数が少ない会社で、社長や社員をどう巻き込むかという入り口の話に向いています。2冊を合わせると、始め方から続け方までがつながります。

17. 採用ブランディング完全版|知名度がなくても欲しい人に届く打ち出し方

深澤了/WAVE出版/2020年

ブランド構築の理論を採用に応用し、無名の会社でも求める人材に選ばれる打ち出し方を体系立てた本です。自社の魅力を言葉にするところから、それを求人やWebサイト、説明会、面接の場で一貫して伝えるところまでを扱っています。

大手と同じ条件で比べられると勝てない、と感じている会社ほど効果が出やすい内容です。給与や知名度ではなく、仕事の意味や組織の価値観で選んでくれる人に出会うための設計図になります。

④雇用形態を問わず採る3冊

18. ジョブ型雇用社会とは何か|正社員中心の仕組みを言葉で理解する

濱口桂一郎/岩波新書/2021年

日本の雇用を「メンバーシップ型」、欧米の雇用を「ジョブ型」と名づけた労働法・労働政策の研究者が、ジョブ型をめぐる誤解を正しながら両者の違いを説明した本です。採用、賃金、解雇、労働時間がどう結びついているかが、歴史と法律の両面から分かります。

業務委託や副業のプロ、職務を限定した正社員など、従来の正社員と違う形で人を迎えたいとき、その形が社内の制度とどこでぶつかるかを事前に見通せます。雇用形態の選び方に悩む経営者に、最初に読んでほしい新書です。

19. 副業人材活用の戦略|社外のプロを受け入れる側の段取り

整流出版/2026年

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副業人材を受け入れる企業側に焦点を当てた本で、200社を超える支援事例をもとに、副業人材に何を任せ、どう社内に力を残すかを整理しています。副業人材を一時的な人手として使うのではなく、社内の機能を整えて自走できる組織をつくる手段として位置づけているのが特徴です。

正社員の採用では届かない専門性を、週数時間の関わりで取り入れたい会社に向いています。業務範囲や成果物の決め方を先に固めておくと、副業人材との関係が長続きします。

20. 中途採用人材を活かすマネジメント|経験者が力を出せない理由

尾形真実哉/生産性出版/2021年

転職者が新しい職場に適応し直す過程を研究した本です。中途入社者は即戦力として期待されるぶん支援を受けにくく、前の会社で身についたやり方と新しい職場の流儀とのずれに一人で向き合うことになりやすい、という問題が扱われています。

経験者を採ったのに期待ほど成果が出ない、早く辞めてしまう、という悩みに対して、受け入れる側が何をすべきかが分かります。採用の段階で良い人を選んでも、入社後の数か月で失うことがあるという事実を突きつけてくれる本です。

⑤採った人を活かす3冊

21. 若年就業者の組織適応|入社後のギャップを研究で読み解く

尾形真実哉/白桃書房/2020年

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白桃書房
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入社前に抱いていた期待と入社後の現実のずれ、いわゆるリアリティ・ショックから若手がどう成長していくかを実証研究で明らかにした本です。入社1年目だけでなく、2年目への支援が早期離職を防ぐうえで効くことが論じられています。

採用の段階で仕事の厳しい面まで伝えるべき理由が、この本を読むとデータで納得できます。研究書なので読み進めるのに時間はかかりますが、新卒や若手の採用を続ける会社には得るものが多い1冊です。

22. 新人社員が職場に定着する入社初日の魔法|受け入れの最初の1日を設計する

瀬戸山孝之/WAVE出版/2026年

入社初日の関わり方に焦点を当てたオンボーディングの実践書です。初日に誰が迎え、何を伝え、どんな不安を取り除くかによって、その後の定着が変わるという考え方で書かれています。心理的安全性をどうつくるかにも章を割いています。

21の尾形氏の本が「なぜずれが起きるか」を研究で示すのに対し、こちらは「明日の受け入れで何をするか」を具体的に示します。2冊を続けて読むと、理由と手順の両方がそろいます。

23. 人と組織の行動科学|採用施策の副作用まで先に知る

伊達洋駆/すばる舎/2022年

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上司と部下の関係、評価への不満、本音を言いにくい雰囲気など、人と組織をめぐる44の課題について、研究をもとに原因と対策を示した本です。対策を打つことで別の問題が生まれる「副作用」にまで触れているのが、ほかの実務書にない特徴です。

7部構成の最初が採用で、そのあとに育成、評価、組織文化、働き方が続きます。採用の施策を打つ前に、その施策が入社後にどう影響するかを確かめる辞書として手元に置いておくと役立ちます。

⑥経営者の視点を持つ2冊

24. エンジニアリング組織論への招待|専門職が力を出せる組織を先に考える

広木大地/技術評論社/2018年

先の見えない仕事に取り組む組織を、どう設計すれば成果が出るかを論じた本です。エンジニアの組織を題材にしていますが、不確実さとの向き合い方、人の育て方、チームの組み方は、ほかの専門職にもそのまま当てはまります。

エンジニアやデザイナーなどの専門職を採ろうとしている経営者が読むと、その人たちがどんな環境なら力を出せるかを、採用の前に考えられるようになります。良い専門職ほど、面接で組織の考え方を見ています。

25. リクルートのDNA|採用を経営の中心に置いた創業者の考え方

江副浩正/角川oneテーマ21/2007年

リクルートの創業者が、会社を育てた考え方を自ら語った本です。「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉に代表される起業家精神とともに、自分より優秀な人を採ることに経営者自身が時間を使った話が書かれています。

採用を人事部の業務ではなく経営者の仕事として引き受けたい人に向いています。今の時代にそのまま当てはまらない部分もありますが、採用にかける経営者の熱量を知るには今も読む価値があります。

5週間で読む順番

25冊を一度にそろえる必要はありません。次の順番で1週間に3冊ずつ読むと、5週間で採用の流れが一通りつながります。残りの10冊は、詰まったときに辞書として開いてください。

時期 テーマ 読む本 この段階でできるようになること
1週目 人物像を決める 採用基準/人を選ぶ技術/人事と採用のセオリー 「良い人」を自社の言葉で定義し、面接で見る階層を決められる
2週目 見極めを仕組みにする コンピテンシー面接マニュアル/採用面接100の法則/人と組織のマネジメントバイアス 質問と評価の基準を面接官の間でそろえられる
3週目 集めて口説く 採用に強い会社は何をしているか/戦わない採用/採用ブランディング完全版 求人の打ち出し方を直し、紹介で人が入る経路をつくれる
4週目 雇用形態を広げる ジョブ型雇用社会とは何か/副業人材活用の戦略/中途採用人材を活かすマネジメント 正社員・中途・副業・業務委託を組み合わせて必要な力を確保できる
5週目 採った人を活かす 若年就業者の組織適応/入社初日の魔法/人と組織の行動科学 入社後のずれを先回りして防ぎ、定着まで含めて採用を考えられる

よくある質問

なぜ日本の著者の本だけに絞ったのですか

海外の採用の本は面接の考え方が優れているものが多い一方で、解雇しやすさ、報酬の決め方、転職の当たり前さが日本と大きく違います。日本の著者の本は、新卒一括採用や正社員中心の雇用、副業の広がりといった前提を踏まえて書かれているので、読んだ内容を自社の制度に移すときの手間が少なくて済みます。海外の定番書も読みたい場合は、良い人を採用する技術がわかる本25選を合わせてご覧ください。

業務委託や副業の人にも、面接の技術は使えますか

使えます。過去にどう行動したかを聞いて判断する方法は、雇用か委託かに関係なく有効です。違いが出るのは契約の結び方と、仕事の任せ方です。業務委託では指揮命令ができないため、成果物と期限で依頼する形になります。この点は18の濱口氏の本と19の副業人材の本で押さえられます。

読んでも、面接や選考に手を回す時間がありません

まず10の『採用面接100の法則』か11の『コンピテンシー面接マニュアル』で評価の基準だけを決め、日程調整や一次面接など手間のかかる工程は外部に任せる方法があります。基準が決まっていれば、誰が面接しても判断がぶれにくくなります。面接の工程を外に出す場合の進め方は、面談・面接代行のページで紹介しています。

まとめ

良い人を採るには、人物像の定義、見極め、出会い方、雇用の形、入社後の受け入れの5つを順に整える必要があります。最初の1冊には、自社でいちばん詰まっている工程の本を選んでください。人物像が言葉になっていないなら『採用基準』、面接官で評価が割れるなら『コンピテンシー面接マニュアル』、応募が来ないなら『採用に強い会社は何をしているか』、採った人が辞めるなら『中途採用人材を活かすマネジメント』から読み始めると、その週のうちに変えられることが見つかります。採用の工程全体を外部の力も借りて回したいときは、採用代行(RPO)の考え方も参考になります。

CONTACT

採用の“詰まっているところ”を聞かせてください。

求める人物像の言葉づくりから、面接の評価基準、副業や業務委託の人材の迎え方まで、どこから手を入れるべきかは会社ごとに違います。いまの採用の状況をうかがえれば、最初に取りかかる工程をご提案します。

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