SFAの案件管理は、商談を一覧にするだけでは機能しません。営業が持つ顧客・商談の情報を、受注後の現場準備や要員計画へ渡せる形にすることが重要です。ただし、見込み案件を確定した仕事として扱うと、先に人を押さえたのに延期や失注になる問題が起きます。
商談管理と要員管理の境界を分け、状態が変わったときに必要な情報だけを引き渡す設計にします。
SFAの案件管理で持つ基本項目
| 分類 | 項目例 | 利用目的 |
|---|---|---|
| 顧客 | 会社、担当者、契約先、顧客の課題 | 誰のどの依頼かを識別する |
| 商談 | 商談名、段階、金額、受注予定日、確度 | 営業活動と見込みを管理する |
| 業務条件 | 開始予定日、期間、必要な役割、想定工数 | 受注後の準備に使う |
| 行動 | 次のアクション、担当、期限、顧客への確認事項 | 商談を止めない |
金額と確度だけでは、人員をいつ何人確保するか判断できません。要員計画へ渡す可能性がある案件では、役割と期間の情報を早い段階から記録します。ただし、未確定の項目は「仮」や「未確認」と明示します。
商談段階と次のアクションをそろえる
「提案中」「検討中」などの段階名は、担当者によって解釈が変わります。段階を変える条件と、次に必要な行動をセットで決めます。
- 初回相談:課題、対象業務、決裁者、時期を確認する
- 要件確認:役割、期間、工数、成果物を記録する
- 提案・見積:条件、金額、前提、社内確認事項を残す
- 契約調整:開始日、担当窓口、必要な準備を確定する
- 受注:配置や採用の依頼へ引き継ぐ
段階を変更するだけで次の行動がない案件は、営業会議で見つけにくい停滞です。段階、期限、担当、次の行動を一組にします。
見込みと確定を分けて要員計画へ渡す
受注前に要員の候補を確認することはありますが、仮押さえと確定配置を同じ状態にしないでください。案件の確度、開始時期、必要な工数を使って、配置側に次のような情報を渡します。
| 案件状態 | 配置側の扱い | 営業側の責任 |
|---|---|---|
| 初期の見込み | 計画上の需要として参照 | 前提と確度を更新する |
| 提案・見積 | 候補者や空き状況を仮確認 | 条件変更を伝える |
| 契約調整 | 開始準備と候補の確定を進める | 開始日・役割を確定する |
| 受注 | 確定枠として配置を決める | 引き継ぎ情報を完成させる |
見込みの段階では、単一の数字で確定人数を出すのではなく、確度別のシナリオを持ちます。受注確率を掛けた期待値は計画の参考にはなりますが、そのまま個人の確定配置にはできません。
配置側からSFAへ返す情報
営業から現場へ一方的に渡すだけでは、案件条件と実行可能性がずれます。配置側は、候補の有無、必要な採用期間、工数の不足、開始日のリスクを、SFAへ返します。返答は「できる・できない」の二択ではなく、条件付き、代替案、確認期限を含めます。
このやり取りをメールだけで行うと履歴が分散します。案件IDを付け、状態と期限を更新する場所を一つに決めます。
案件から要員計画へ渡す情報は、業務プロセス設計の進め方で扱う開始条件・入力・完了条件の考え方ともつながります。
運用を定着させる確認項目
- 段階を変更する条件が担当者間でそろっている
- 全案件に次の行動と期限が入っている
- 開始日・役割・工数が未確定なら、その状態が見える
- 見込み・仮押さえ・確定配置を別の状態で管理している
- 受注後の変更が営業と配置の双方に伝わる
まとめ
SFAの案件管理では、顧客・商談・段階・金額に加え、開始予定日、必要な役割、工数、次の行動を管理します。見込み、仮押さえ、契約調整、受注を分け、配置側から実行可能性を返す流れを作ると、営業情報が要員計画につながります。


コメント