いい人材を見極める面接の質問5選|経歴・強み・意欲を引き出す聞き方と深掘りのコツ

面接の時間は、一次面接でも30〜60分ほどです。その中で応募者の実力と人柄を知ろうとすると、質問の選び方で得られる情報量が大きく変わります。同じ「強みを知りたい」という目的でも、聞き方によって、応募者が具体的な経験を話し始めることもあれば、身構えて当たり障りのない答えで終わることもあります。

この記事では、面接で確かめたい5つの観点ごとに、最初に投げると情報が多く返ってくる質問を1つずつ紹介します。あわせて、似ているけれど情報が少なくなりやすい聞き方と、回答のあとに続ける質問も示します。

面接で使える質問5選の一覧

先に全体を表にまとめます。「避けたい聞き方」は禁止という意味ではなく、最初の質問にすると情報が少なくなりやすいものです。

知りたいこと 最初に投げる質問 情報が少なくなりやすい聞き方
1. 経歴や経験 自己紹介をしてください 履歴書にそって経歴を説明してください
2. ほかの応募者にない強み あなたのセールスポイントは何ですか なぜあなたを採用すべきなのですか
3. 募集職種に生かせる能力 この仕事で最も重要な資質は何だと思いますか この仕事への適合度を自己採点すると何点ですか
4. 周囲とのコミュニケーション 今の職場で同僚とどんな関係を築いていますか どんなタイプの人と一緒に働きたいですか
5. 仕事への意欲 仕事で一番充実感を得たときのことを話してください ルーティンワークは好きですか

5つに共通するのは、応募者が自分の言葉で、具体的な場面を話せる質問だという点です。評価に使えるのは「どんな人か」という自己申告ではなく、「その人が実際に何をしたか」という事実です。

1. 経歴や経験を知る質問「自己紹介をしてください」

自己紹介は、応募者がこれまでの経歴の中から何を選び、どの順番で話すかが見える質問です。面接官が履歴書を1行ずつ確認するより、本人がアピールしたい経験が自然に前に出てきます。

たとえば応募者が「前職で経費削減に取り組みました」と話したら、「そのときのことを詳しく教えてください」と続けます。削減した金額、本人の担当範囲、周囲をどう巻き込んだかまで聞ければ、評価に使える材料になります。

ほかの聞き方との違い

  • 「自分をひと言で表すと?」:価値観をつかむきっかけにはなります。ただし「計画性があります」のような答えで終わりやすいので、「計画どおりにやり遂げた最近の仕事は何ですか」「どこまで準備してから始めましたか」と、行動の話へつなげる必要があります。
  • 「履歴書にそって説明してください」:書類に書いてあることの読み上げになりがちです。在籍期間や転職回数の確認には使えますが、新しく分かることはほとんどありません。

自己紹介のあとに聞く深掘りの質問は、面接で応募者の経歴や経験を引き出す質問で詳しく紹介しています。

2. ほかの応募者にない強みを知る質問「あなたのセールスポイントは何ですか」

「セールスポイント」という言葉を使うと、応募者は「自分を会社に売り込むなら何を出すか」という視点で答えを組み立てます。単に長所を聞くより、応募する仕事を意識した答えが返ってきやすくなります。

回答を聞いたら、「その強みが一番発揮された仕事はどれですか」と具体例を求めます。強みの言葉そのものより、その強みを使って何を成し遂げたかを確認します。

ほかの聞き方との違い

  • 「ほかの人になくて、あなたにある特徴は?」:本音を引き出しやすい質問です。答えの中身に加え、応募者が自社や募集職種をどれだけ調べてきたかも分かります。
  • 「なぜあなたを採用すべきなのですか」:「なぜ」で詰める形になり、応募者は自分を弁護する姿勢に入ります。落とすための質問だと受け取られると、大事な話をしなくなることもあります。同じことを知りたいなら、「この仕事に就いたら、ほかの応募者にはないどんなメリットを会社にもたらせますか」と聞き方を変えます。

3. 募集職種に生かせる能力を知る質問「この仕事で最も重要な資質は何だと思いますか」

この質問の答えを聞くと、応募者が募集職種をどう理解しているかが分かります。同時に、多くの応募者は自分が持っている資質を「重要」として挙げるため、本人の自己認識も見えてきます。

本当に知りたいのは、その次の質問への答えです。たとえば「問題を解決する力だと思います」と返ってきたら、「その力を使って、難しい状況を乗り越えた例を教えてください」と続けます。資質の名前を言えることと、実際に使ってきたことは別なので、ここで具体的な場面が出てくるかを見ます。

ほかの聞き方との違い

  • 「ほかの人にはなくて、あなたにある特徴は?」:答えから、応募者が自分なりに職種を調べて何を求められていると考えたかが分かります。
  • 「この仕事への適合度を自己採点すると何点ですか」:「80点です」と数字が返ってきても、そこから先の材料がありません。適合度を知りたいなら、「この仕事のどの場面で、自分に合っていると感じますか」「あなたの力を一番生かせるのはどの業務ですか」と、業務の場面を指定して聞きます。

4. 周囲とのコミュニケーション力を知る質問「今の職場で同僚とどんな関係を築いていますか」

この質問には、「誰とでもうまくやれます」という答えがよく返ってきます。ただ、それが本当なのかは、その言葉だけでは判断できません。そこで「ほかの人と意見がぶつかったときのことを話してください」と続けます。人間関係の「状態」ではなく、もめそうな場面で実際にどう動いたかという「行動」を聞くのがポイントです。

回答では、相手の言い分をどう受け止めたか、誰に相談したか、最終的にどう決着したかを順に確認します。自分の意見を通した話だけでなく、譲った話や、上司を交えて決めた話が出てくると、周囲との関わり方が具体的に見えてきます。

ほかの聞き方との違い

  • 「あなたの長所を三つ挙げてください」:自己評価だけで終わりやすい質問です。「同僚は、あなたの長所をどう見ていると思いますか。三つ挙げてそれぞれ説明してください」と、周りの目を通して聞くと、中身のある答えが返ってきます。
  • 「どんなタイプの人と一緒に働きたいですか」:「気配りのできる人」と返ってきても、応募者の価値観も、合わない人と働くときの粘り強さも分かりません。代わりに「経歴や考え方の違う人と一緒に働いたとき、どう関わってきましたか」と聞けば、いろいろな環境での行動が分かります。

5. 募集職種への意欲を知る質問「仕事で一番充実感を得たときのことを話してください」

仕事で最も満足した場面を話してもらうと、その人が何にやる気を感じるかが分かります。そのときの仕事が募集ポジションの業務と似ていて、本人がそこに強い手応えを感じていたのなら、入社後も高い意欲で取り組める可能性が高いと判断できます。

回答を聞いたら、「何が一番うれしかったですか」「同じような場面は今の仕事にもありますか」と続けます。成果が出たことがうれしかったのか、顧客に感謝されたことか、難しい問題を解いたことか。何に手応えを感じるかが、自社の仕事で得られるものと合っているかを確かめます。

ほかの聞き方との違い

  • 「これまでで最もやりがいを感じたことは?」:前向きな話を引き出せる質問です。ただし、答えに詰まる応募者には注意が必要です。やりがいのある仕事を経験していない、あるいは今回の仕事にもあまり興味がない可能性があります。
  • 「ルーティンワークは好きですか」:「はい」か「いいえ」で終わる質問です。しかも、面接の場で「好きではない」と答える人はまずいません。「仕事がつまらなくても大丈夫ですか」と聞くのと同じで、応募者について新しく分かることがありません。定型業務への向き不向きを知りたいなら、「毎日同じ手順を繰り返す業務で、自分なりに工夫したことはありますか」と聞きます。

5つの質問を面接で使うときの進め方

最初の質問は短く、深掘りに時間を使う

紹介した5つの質問は、どれも入口です。1問あたり、最初の答えに1〜2分、その後の深掘りに5分ほどを見込むと、5問で30分前後になります。質問の数を増やすより、1つの答えに対して「そのとき何をしましたか」「結果はどうなりましたか」と2〜3回重ねるほうが、評価に使える材料が集まります。

全員に同じ質問をして、答えを記録する

応募者ごとに質問を変えると、あとで比べられません。5つの質問は全員に同じ順番で聞き、深掘りで出てきた事実を書き残します。「感じがよかった」ではなく、「前職で同僚と納期の優先順位でもめた際、上司を交えた打ち合わせを自分から設定した」のように、発言をそのまま記録します。

面接官によって評価がばらつく場合は、最初の2分の印象に頼らず応募者を見極める質問設計もあわせて確認してください。

答えに詰まったら、場面を指定して聞き直す

緊張していると、良い経験があっても思い出せないことがあります。「一番最近の仕事で教えてください」「前の職場の、入社2年目ごろの話でもかまいません」と時期や場面を指定すると、答えやすくなります。沈黙が数秒続いても、面接官が説明を足して埋めず、考える時間を待ちます。

聞いてはいけない質問は外す

家族構成、出身地、思想や信条、支持政党など、本人の適性や能力と関係のない事柄は、深掘りの流れでも聞かないようにします。雑談のつもりで聞いた内容が、応募者の不信感や採用トラブルにつながることがあります。

面接官の時間が足りない、質問の準備や記録までは手が回らないという場合は、一次面接を外部に任せる方法もあります。Coreの面談・面接代行では、質問項目の設計から一次面接の実施、記録の共有まで、必要な範囲でお手伝いしています。

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募集している職種と、いま面接で聞いている内容をうかがえれば、どの質問を足し、どこを深掘りすれば判断材料が増えるかをお伝えします。

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まとめ

面接で多くの情報を得られるのは、応募者が具体的な場面を自分の言葉で話せる質問です。経歴は自己紹介から、強みはセールスポイントから、適性は職種に必要な資質から、周囲との関係は同僚との関わりから、意欲は充実感を得た経験から聞き始めます。

そのうえで、答えに対して「そのとき何をしたか」を重ねて聞き、出てきた事実を全員分同じ形で記録します。「なぜ採用すべきか」のように身構えさせる質問や、「はい」「いいえ」で終わる質問は、聞き方を変えれば同じことをより詳しく知ることができます。

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